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レオパレス社長選任 賛成67%どまり

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レオパレス21が6月27日に開いた株主総会で、宮尾文也社長の取締役再任への賛成比率が67.5%と前年(94.4%)から大幅に低下したことが3日分かった。3日に開示された臨時報告書で判明した。アパート施工不良問題を受け、再任となる取締役に対し株主からの批判が強まったようだ。

社外取締役の児玉正之氏が69.4%と前年(96%)から低下するなど、再任となる社外取締役3人の賛成比率も60%台と低かった。「旧経営陣は信用できない」との意見が出た。再任となる取締役に対しても施工不良問題の責任があったとの見方が影響したようだ。

同社は深山英世社長ら取締役7人が施工不問題の責任を取り退任。新体制では取締役10人のうち、半数を社外取締役が占めるようにするなど、ガバナンス(企業統治)強化を図っている。(日本経済新聞 7月4日)

株主の反応は当然である。ひとたび染み付いた体質を根っこから改めるには、少なくとも社長、副社長、専務の3人は起用しないと、たとえガバナンス強化と流行り言葉を連呼したところで、さほど成果を期待できない。

どんなに柔軟なビジネスマンでも、年齢を重ねれば経験則からの脱皮は容易でなく、無意識のうちに経験則に引きずられ、判断を誤ってしまいがちである。本気で体質を改めたいのなら人心一新が鉄則だが、レオパレス21には一新されては困る事情があるのか。

さらに再任に対しては、まだ何か隠さなければならない問題が潜んでいて、社長を外部から登用されたら、全て明らかにされかねないと懸念しているのか。

金融業界や不動産業界に散見されるが、ルール遵守よりも収益優先の体質は連綿と受け継がれるものだ。単純なことだが、企業によっては、ルールを排除の対象にしている。こういう企業も反社会的勢力に違いない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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