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新入社員「人並みに働く」63% 過去最高、積極労働に抵抗感

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人並みの働き方で、苦労は避けたい―。日本生産性本部(東京)などが27日に公表した今春の新入社員を対象とするアンケート結果から、こんな傾向が明らかになった。「人並みに働けば十分」と答えた人が63.5%、「好んで苦労することはない」が37.3%を占め、いずれも過去最高だった。

「人並み以上に働きたい」は29.0%で過去最低となった。「人並み」との差は34.5ポイントまで開き、過去最高。日本生産性本部の岩間夏樹客員研究員は「電通の新入社員の自殺やブラック企業が問題となり、積極的に働くことに抵抗を感じているのではないか」と分析した。(共同通信 6月27日)

このアンケート結果から見えてきた就労観の変化は医師も例外ではない。さる6月9日、都内で開かれた医師の働き方改革をテーマとしたシンポジウムで、30代の女性勤務医はこう発言した。

「30歳代以下の医師たちは、身を粉にして、自分を犠牲にして働いて医療を支えることがカッコイイとは微塵も思っていない。男性医師も家庭を大切にする考え方に変わってきていることを理解してほしい」

場内のあちこちから笑いが漏れたが、笑いの主たちは40~50代の男性医師だった。

かつては聖職と呼ばれ、自己犠牲のもとに医療提供体制を支えてきた医師も、労働基準法が適用される労働者である。ワークライフバランスの重視は必然の流れだ。

今年4月1日に施行された改正労働基準法で、時間外労働の上限時間が「月45時間・年360時間」に規定された。特別な事情がある場合も「年720時間」「休日労働を含め複数月平均80時間以内・単月100時間未満」が上限に設定された。

ところが、適用猶予・除外とされた業務もある。そのひとつが医師で、厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」は、地域医療維持の観点から地域医療確保暫定特例水準を設けて、時間外労働時間の上限を「年1860時間」とした。月平均155時間である。過労死ラインをはるかに超えている。

ワークライフバランスを重視する若手医師が受け入れるだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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