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福島廃炉に外国人労働者 東電「特定技能」受け入れへ

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4月から始まった新しい在留資格「特定技能」の外国人労働者について、東京電力が、廃炉作業の続く福島第一原発などの現場作業に受け入れることを決めたことが分かった。3月28日の会議で、元請けなど数十社に周知した。

東電などによると、ゼネコンなど協力会社数十社を対象とした会議「安全衛生推進協議会」で、特定技能の労働者の原発への受け入れについて説明。「建設」「産業機械製造業」「電気・電子情報関連産業」「自動車整備」「ビルクリーニング」「外食業」が該当すると示した。廃炉作業にあたる「建設」が主になるとしている。

東電は、再稼働をめざす柏崎刈羽原発(新潟県)でも受け入れる方針。

東電は会議で、線量計の着用や特別教育が必要となる放射線管理対象区域では「放射線量の正確な理解、班長や同僚からの作業安全指示の理解が可能な日本語能力が必要と考えられる。法令の趣旨にのっとってください」と伝えたという。

法務省は、第一原発内で東電が発注する事業について「全て廃炉に関するもので、一般的に海外で発生しうるものではない」とし、技能実習生の受け入れは、「国際貢献」という趣旨から不可としてきた。だが特定技能について東電は、法務省に問い合わせた結果、「新資格は受け入れ可能。日本人が働いている場所は分け隔てなく働いてもらうことができる」(東電広報担当)と判断した。(朝日新聞 4月18日)

在留資格「特定技能」の対象14業種は日本の若年層に人気の低い業種だが、廃炉作業への雇用は象徴的である。国内で人手を確保できない不人気業種を外国人で賄う政策は、国家の姿としてはいかにも不格好で、「多文化共生社会」という目標概念も取ってつけたような印象を否定できない。

だが、それでも14業種の維持に外国人労働者の雇用は不可避の選択である。廃炉作業に外国人が雇用されるのも必然の流れだが、廃炉作業を希望する外国人はどのぐらいに達するのだろうか。

かりに廃炉作業を続けて一定のスキルを身につけても活かせる道は限られているうえに、この作業は健康リスクと背中合わせである。よほど好待遇でないと関心が向かないのではないか。雇用主にも覚悟が問われてくる。法令を遵守したところで、健康被害が発生すれば大々的に報じられ、人材確保難におちいることは必至だ。

当然、こうした門外漢でも想像がつく問題は承知のうえで、関連企業は外国人労働者の確保を急ぐのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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