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技能実習の新規入国者、過去最高の15万人 18年速報値

20190131

法務省は23日、2018年の外国人入国者数の速報値を発表した。在留資格別の新規入国者数のうち技能実習は15万161人で、17年に比べて18%増えた。技能実習制度を導入した10年以降で過去最高となった。19年4月に創設する新たな在留資格「特定技能」は技能実習生からの移行も多く想定しており、今後も増加が続くとみられる。
全体の外国人入国者数は過去最高の3010万人で、17年から267万人増加した。再入国者を除く新規入国者数も2757万人で10%増え、過去最高だった。観光庁は16日、18年の訪日外国人旅行者数を発表し、17年比9%増の3119万人で過去最高だった。
法務省の速報値によると、在留資格別の新規入国者数では最多は観光目的などの短期滞在で全体の98%を占めた。2705万人で前年比10%増えた。技能実習が15万人で続いた。留学は12万人で、0.8%増えた。
国籍・地域別の新規入国者数は韓国が最も多く、6%増の732万人。中国が23%増の595万人、台湾が4%増の440万人で続いた。上位10カ国には東南アジア諸国連合(ASEAN)からタイの111万人、マレーシアの45万人など4カ国が含まれ、いずれも増加した。
(日本経済新聞 1月23日)

衆議院法務委員会が1月23日に開いた閉会中審査で、山下真司法相は、在留資格「特定技能」が発足する今年4月以前に全都道府県で説明会を開くと述べた。外国人に直接接する自治体が困惑しているのは多言語対応ではないのか。
多言語にわたる通釈を確保できても、通訳が行政制度に通じて、窓口での対応はできないだろう。職員が隣に座って外国人とのやりとりを通訳する方法では、対応時間が通常の数倍に膨らんでしまい、行政効率が著しく低下してしまう。職員と外国人が翻訳アプリを見ながらやりとりをすれば、さらに効率が低下する。
本来、受け入れ体制を整備してから受け入れをスタートさせるべきだが、改正入管法の成立を急ぎすぎたために、受け入れ現場では混乱の発生が必至だ。産業界からの要請と自治体の体制整備のどちらを優先すべきなのか。当然、後者である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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