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エーザイ従業員、1割弱希望退職 想定の3倍が応募

20190128

エーザイは18日、募集した希望退職に300人が応じたと発表した。想定の約3倍で、昨年末時点で3400人余りいる単体従業員数の1割弱に当たる。3月31日付で退職する。退職金の上乗せを実施し、2018年4~12月期連結決算に関連費用約66億円を計上する。
応募人数を100人程度としていたが「希望する社員の意思を尊重した。新規採用の増加や配置換えで対応できる」と説明している。
今回の希望退職者の募集は3年度連続で行う1回目で、19、20年度の募集も予定通り実施する方針だ。新薬開発に力を入れる中で採用も増やしており、組織の新陳代謝を進める。
(共同通信 1月18日)

公開情報によると、エーザイの従業員平均年齢は44.7歳、平均年収は1044万円。希望退職者は45歳以上かつ勤続5年以上の社員。住宅ローンと子供の教育費が重なる年齢で、これだけの年収を捨ててでも退職に踏み切れるのだから、割増分を加算した退職金がよほど高額なのだろう。
この記事にある約66億円の「関連費用」とは割増退職金総額である。希望退職が300人だから、割増退職金は1人平均2200万円前後だ。この金額が規定の退職金に加わるのだから、転職後の年収が相当下がっても不安はないのではないか。
希望退職に応じた社員が想定の約3倍におよんだのも、これだけの好条件が呼び水になったと察しがつく。
エーザイは2019年度と20年度にも希望退職を募集するというが、引き続き高額な退職金が提示されるのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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