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業績上げる中小企業の“ES経営”

20190117

従業員満足(ES)経営で実績を上げる中小企業が増えている。福利厚生や職場環境などを改善し、仕事のやる気を引き出す社内改革を打ち出すことで生産性や業績の向上につなげている。労働者の人材不足が顕在化する中、いかに雇用した人材を定着させるかがカギとなる。特に中小企業は大企業と比べ採用や待遇で不利な面もある。それだけにES経営は人材難にあえぐ企業において課題解決のヒントの一つになりそうだ。
「何のために仕事しているのか。自分が楽しく生活するためだ。仕事が苦痛であっては意味がない」。1941年創業の三協精器工業(大阪市東淀川区)の赤松賢介社長はこう強調する。同社はスプリングを中心に金属部品を手がける。顧客の要望に対応し、大小1万種類のスプリングを製造する。05年に就任した赤松社長は、顧客に選ばれる企業を目指して「安正早楽(あんせいそうらく)」というメッセージを打ち出した。顧客に安心・安全、正直で正確をモットーとし、必要な時に製品をタイムリーに供給する。さらに顧客の手間を少しでも減らしてラクしてもらう。自分たちも楽しく仕事するという考え方だ。
(ニュースイッチ 1月3日)

従業員の定着率の高い中小企業は業績も堅調である。このタイプの企業では、例外なく経営者に人望がある。一市民としても尊敬でき、企業市民という言葉になぞらえれば“経営者市民”である。
とくに若い従業員にとっては人生の教師のようにも見え、「この社長のためなら」と損得を抜きに尽くしたくなる求心力をもっている。利他の心などを社是に掲げるまでもなく、実践をとおして示しているから、従業員にも、同僚や下請け企業を踏み台に実績を上げようとするような輩は見当たらない。
ES向上の仕掛けが有効に機能するには、こうした土壌が欠かせない。部下の指導と部下を詰めることが混然としている企業では、ES向上先は形骸化してしまう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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