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セクハラ受け退職の女性職員、無試験で新規採用

大阪府内の自治体(市)で女性職員が男性上司からセクシュアル・ハラスメントの被害に遭い、9月に退職に追い込まれていたことがわかった。女性の退職後に調査した市はセクハラの事実を認定、今月中に男性を懲戒処分し、女性を無試験で「新規採用」して復職させる異例の救済策をとる。
市によると、女性は今年4月から、妻子ある男性上司から手を握られたり、何度も「付き合おう」と言われたりした。女性は9月末に「病気の治療のため」と市側に説明して退職。その後、男性のセクハラに関する匿名の通報が大阪府に寄せられ、市が女性に事情を聞いたところ、「辞めた本当の理由はセクハラ」と明かし、男性は事実関係を認めた上で「セクハラとの認識はなかった」と話したという。
(読売新聞 12月20日)

この女性職員は被害者なのだから新規採用でなく復職が妥当な措置だが、公務員なので新規採用という手続きが必要なのだろうか。職位や等級は原状復帰であるべきだが、どうなっているのだろう。
テレビ番組で著名な弁護士が「パワハラは中立的な立場で認定されるが、セクハラは被害者の目線で認定される」と話していたが、それだけセクハラは認定されやすい。認定されて以降の職場でも処分も、被害の程度にもよるが、おおむねパワハラよりセクハラのほうが重い。
パワハラには行き過ぎた指導という言い訳を付けやすいが、セクハラは問答無用である。とくに人事評価においては致命傷で、それまでの功績など一瞬にして吹き飛んでしまう。異性に対しては、委縮するぐらいでちょうどよい。
感覚の麻痺しがちな酒席では、異性の隣りや正面への着座を回避することも、大切な危機管理策である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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