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勤務医、残業上限を年960時間

20181219

医師の働き方改革を巡り、2024年4月から勤務医に適用となる残業時間の上限規制について、厚生労働省が将来的な上限を「年960時間」とする方向で検討を進めていることが12日、関係者への取材で分かった。地域医療提供体制の維持や技能向上を理由に、より長い上限が必要として、特定の医療機関の医師は当面、上限が年千時間を超える見通し。
いずれも休日労働を含めた時間。年960時間は1カ月に換算すると80時間で、脳・心臓疾患の労災認定基準となる「過労死ライン」と重なる。千時間超は過労死ライン超えとなるため、妥当性を巡って議論となりそうだ。
(共同通信 12月12日)

医師の残業時間上限をめぐる問題の前提は、そもそも医師は労働者かどうかという定義にある。
厚生労働省医務技監の鈴木康裕氏は、日本医療法人協会・同埼玉支部が11月17日、さいたま市で開いた「第33回全国医療法人経営セミナー」で「医療界には『医師は一般労働者とは違う。一般労働者と同じ規定をされたくない』という意見が強い。気持ちは分かるが、法的には医師は一般労働者として規定されている」と語った。
しかし同じセミナーで、日本医師会常任理事の松本吉郎氏はこう反論した。
「私が記者会見で『医師の40%が月80時間以上の残業を行っている現況を視野に入れないとやっていけない』と発言したら、やはりネットで炎上した。労働時間の上限規制については慎重な発言をしなければならないが、私の発言は間違っていないと思う。医師の働き方改革に関する検討会でも、一般職と同じ上限規制は無理だろうと議論されると思う」
たぶん他の職種に波及しないように、医師に限定された上限規制が定まるのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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