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7割が最低賃金未満=失踪実習生聴取票から試算―野党

立憲民主党など主要野党は3日、失踪した外国人技能実習生2870人分の「聴取票」を精査したところ、7割近い1939人が最低賃金未満の時給で働いていた可能性があると発表した。
「過労死ライン」とされる月80時間以上の残業をしていた実習生も292人いたという。
対象となった聴取票は、法務省が失踪後に摘発されたり、出頭してきたりした実習生から聞き取った2017年分の記録。野党議員が開示された資料を書き写し、月給と労働時間から時給を試算。16年に全国で最も低かった宮崎、沖縄両県の最低賃金714円と比較した。
(時事通信 12月3日)

 

何かしら深刻な問題が発生すると、その分野で「問題を起こしているのは一部にすぎず、多くは健全に取り組んでいる」と問題の発生を最小化したがる風潮が強い。実際、そのとおりなのだろうが、外国人技能実習制度に関する限り、野党グループの調査結果から「健全に取り組まれているのは少数派で、不健全な制度利用が多数派」といえるかもしれない。
来年4月から新在留資格の運用がスタートして、外国人労働者の受け入れが急増すれば、労務トラブルの頻発は避けられまい。多忙になるのは入国管理局だけでなく、労働基準監督署や警察署も忙しくなるだろう。
受け入れ企業にとっては、これまでのように外国人の泣き寝入りが減って、ユニオン活動などでコンプライアンスの洗礼を浴びる可能性も高い。受け入れる以上、真っ当な処遇が必須である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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