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年金受給開始の繰り下げ試算 月10万円増も

20181113

公的年金の受給開始時期(原則65歳)について、70歳まで遅らせた場合の年金水準の試算を厚生労働省が初めてまとめ、2日の社会保障審議会年金部会で公表した。夫婦2人のモデル世帯(2014年度)の場合、70歳まで働き、年金の受け取りも70歳まで遅らせると月33万1000円となり、60歳で仕事を辞めて65歳から受け取る一般的なケースより(月21万8000円)最大10万円以上増える。
 年金の支給は原則65歳からだが、受給開始の時期は60~70歳の間で選べる。いつ受給を開始しても平均寿命までの受給総額は変わらない設計だ。繰り下げ受給を選択すると1カ月につき0.7%ずつ増額されるが、利用者は全体の約1%にとどまっており、制度の周知が不十分との指摘が出ていた。
政府は、継続雇用年齢を現行の65歳から70歳に引き上げたい考えで、年金の受給開始時期を70歳以降も選択できるよう検討を進めている。試算は、高齢になっても働き続け、年金の受給開始も遅らせた場合の年金受け取り額をイメージしてもらう狙いがある。
(毎日新聞 11月2日)

高齢化対策は生涯現役社会づくりに向かっている。経済産業省は「ハイブリッド社会の構築」を提言している。その概要を紹介しよう。
健康で長生きすることが可能になれば社会は必然的に高齢化するので、高齢化は対策すべき課題ではない。取り組むべき課題は、人生100年時代で与えられた時間をいかに楽しく健康に生きるか。二周目の人生における幸せの形を見つけることである。ヒトの生物学的な寿命は120年なので、還暦は暦が一周したことにすぎない。
日本では、15~64歳の生産年齢人口と高齢者人口が同程度にある期間が比較的長期間持続することが予想される。この人口構造を前提として活力のある安定した社会を形成するには、高齢者人口が年金制度をベースとしつつ、経済活動への緩やかな参加を維持することで自立型の経済プレーヤーとなる。そのうえで、生産年齢人口が競争力を持つ経済活動の継続を可能にするハイブリッド型社会の構築が重要である。
経産省は入居者が役割をもてる「仕事付き高齢者向け住宅」を考えているという。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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