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就業中の禁煙広がる 外出社員も対象

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就業時間内の禁煙に踏み切る企業が増えている。島津製作所は2020年4月に就業時間内の喫煙を完全禁止にする。日新火災海上保険も19年4月から禁煙にする。外出する社員も対象で施設内禁煙よりも厳しい。政府が東京五輪・パラリンピックを見据えて受動喫煙防止対策を打ち出した中、「健康経営」を推進する民間企業の対策も新たなステージに入った。
島津は10月から就業時間のうち計2時間を禁煙時間とする取り組みを始めた。段階的に拡大し、20年4月に全面禁煙とする。子会社を含むグループが対象で、工場や営業所も含む。
営業などで社員が会社を離れた場合にも適用する。罰則は設けない考えだ。
(日本経済新聞 10月5日)

禁煙を徹底させるには元から絶たなければ効果を期待できない。煙草の製造・販売を規制すれば禁煙問題は一気に進むが、国営企業として歩んできて、有力な税収源でもある日本たばこ産業に対しては何も着手できない。
喫煙場所の制約で禁煙に取り組む以外にないのだが、東京オリンピックが終わったら、店内禁煙に切り替えた飲食店が、喫煙解禁に戻るのかどうか。禁煙によって集客力の落ちた店舗は戻るだろう。
だが、職場内を禁煙にした企業の目的は、多くは健康経営の推進である。あの手この手で禁煙運動が推進されているが、喫煙スペースを撤廃すればよいだけだ。喫煙スペースを設けている企業は、本気で禁煙に取り組んでいるとは思えない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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