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最低賃金 首都圏は1千円目前? 中小企業は悲鳴

今年度は最低賃金を全国加重平均で26円引き上げるべきだとの目安を、厚生労働省の中央最低賃金審議会の小委員会がまとめた。引き上げ額は比較できる2002年度以降で最大で、3年連続で政権が目標とする引き上げ率3%を確保した。目安通り上がれば平均874円となり、最も低い県も750円を超えるが、より多く上がる東京都や神奈川県は来年度にも1千円を突破する。非公開の議論での大幅引き上げや地域間格差の拡大に、懸念の声も出ている。
都道府県ごとの引き上げの目安額は、物価や所得水準などの指標をもとに分けたA~Dのランクごとに示された。Aの27円とDの23円には4円の差があり、目安通りに上がれば都市と地方の格差はさらに広がる。(朝日新聞デジタル 7月27日)

最低賃金引き上げの是非はともかく、低賃金が原因で人手が集まらないと人手不足倒産に至りかねない。
帝国データバンクの調査によると、2018年上半期(1~6月)の「人手不足倒産」は70件、負債総額は106億7700万円。件数は3年連続で前年同期を上回り、調査開始(2013年1月)以降、半期ベースで最多を記録した。さらに年間合計で初めて100件を超えた2017年(106件)を上回った。
負債規模別件数では「1億円未満」が38件と過半を占め、前年同期(19件)の2倍に拡大した。業種細分類別の5年半累計件数では、「道路貨物運送」が29件で最多。以下、「老人福祉事業」26件、「木造建築工事」23件、「受託開発ソフトウエア」19件と続いた。こうした動向を受けて最低賃金を引き上げても、人手を確保できるかどうか。外国人労働者に頼らざるを得ない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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