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国家公務員の残業規制検討=「働き方改革」推進で―人事院

人事院は10日、「働き方改革」関連法が今国会で成立したことなどを受け、国家公務員の残業規制に乗り出す方針を固めた。
国会対応などによる長時間労働を是正するため、人事院規則を改正し、残業時間の上限を定めることを軸に検討する。8月に行う国家公務員の給与改定勧告時に具体的な内容を盛り込む。
国家公務員の残業上限は、2009年に人事院が策定した指針で年360時間と規定。国会対応や予算折衝など「特段の事情がある部署」は年720時間が目安と定めている。
見直しでは、指針を基に残業時間の上限を数字で示し、人事院規則に盛り込むことが選択肢に挙がっている。指針よりも格上の規則に盛り込むことで、各省庁に一層順守を促すことが狙いとみられる。災害発生時をはじめとした繁忙期の例外規定も検討する。上限時間は労働基準法を参考に、年単位だけでなく月単位での設定も視野に入れている。
(時事通信 7月10日)

厚生労働省が“強制労働省”と揶揄されるほど中央省庁職員の労働時間は長い。ここまで働いて給与に恵まれなければ退職者が続出するだろうが、国家公務員は給与には恵まれている。
国家運営従事者の矜持を保つに値する水準かどうかはともかく、平均年収は約700万円で、民間企業の平均である約420万円を大幅に上回っている。
しかし、いくら厚遇でも体力は有限である。残業の上限規定は必要だ。省庁には業務の処理能力に長けた職員が多いので、たぶん生産性は高い。業務量の見直しぐらいしか労働時間短縮の手段はないのだろうが、残業時間の上限設定によって、業務量を見直さざるをえなくなる。
深夜になると霞ヶ関にタクシーの行列ができる光景は、昭和・平成の光景にとどまるだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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