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外国人就労新資格 最長5年可能に 農業など5分野 来年4月にも創設

20180614

政府が農業など人手不足が深刻な業種を対象に、外国人が日本で働くことができる新たな在留資格を創設することが分かった。政府が15日にも閣議決定する経済財政運営の基本方針「骨太の方針」に盛り込む。実現に向け、秋の臨時国会に入管法改正案を提出する方針。技能実習制度の修了者や修了と同等の技能や日本語能力を問う試験に合格した外国人を対象に、最長5年の就労期間を認めるもので、政府は来年4月創設を目指す。
創設する在留資格は「特定技能(仮称)」で、農業や介護、建設など5分野を対象にする方針。業種横断の基本方針として、3~5年の技能実習(2号か3号)修了者か、修了と同程度の技能・日本語能力を問う試験の合格者を対象にする。報酬額は日本人と同等以上。移民政策とは区別するため、家族の帯同は認めず、就労期間も5年を上限とする。 基本方針を踏まえた上で、各業種の所管省庁や法務省で業種別の方針を定める。例えば、試験で求める日本語能力は、上位の「N1」から5段階ある中の4番目に当たる「N4」が基本。ある程度日常会話ができる水準だ。一方で農業は介護などと比べて会話の機会も少ないため、N4水準までは求めない方針だ。
(日本農業新聞) 6月5日

在留中の外国人技能実習生は約25万人だが、コンビニエンスストアの店員が対象職種に追加されると一気に約30万人に増える。コンビニで働く外国人人材は約4万4000人。多くが留学生だが、留学生の就労時間は週28時間が上限である。
一方、技能実習生の上限就労時間は週40時間。この差異から、日本フランチャイズチェーン協会は、コンビニ店員を技能実習生の対象職種に追加するように厚生労働省に要請しているという。昨年11月に介護職が対象職種に追加されたことを鑑みれば、すでにコンビニは外国人人材によって成り立つ社会インフラとして定着であるだけに、追加が却下される理由はない。
こうして技能実習生が増加する裏では、現地でブローカーに多額の斡旋料を支払い、借金を背負って来日するケースも増加してゆく。借金があるから日本で働くのではなく、日本で働くために借金をするのだが、この慣習はいつまでつづくのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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