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外国人の介護実習生、初の受け入れ 6月にも中国の2人

ono20180521

外国人技能実習制度に昨年11月に追加された介護職種で、監督機関「外国人技能実習機構」が初めて実習生の受け入れを認定した。第1号は中国人女性2人で、手続きが順調に進めば6月にも入国する見通しだ。日本の多くの介護施設は人手不足にあえいでおり、今後、中国や東南アジア各国からの介護実習生の受け入れが加速しそうだ。
認定は5月1日付。受け入れ窓口の監理団体で1カ月間の研修を受けた後、宮崎県延岡市の「メープルウェルフェアーサービス」が運営するグループホームと、介護付き有料老人ホームで働く。現制度では来日後1年以内に、日本語能力試験N3(日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できるレベル)に受かれば、最長5年働ける。不合格なら帰国となる。
同社の小野真介社長(39)は「将来の中国での事業展開を見据えて受け入れた。中国事業の幹部になってほしい」と話す。(朝日新聞デジタル 5月13日)

 介護業界が外国人技能実習生の受け入れを続々とはじめたら、介護現場はどう変わるのか。「外国人は日本人に比べて高齢者にフレンドリー」とか「日本人の介護職よりも懸命に働く」などの成功例が紹介され、技能実習制度の推進派は(我が意を得た)とプロモーションを仕掛けるだろう。

だが、成功例は就労環境が整備されている有力な介護事業者に限られてくるのではないか。日本人ですら逃げ出したくなる過酷な介護現場に、外国人の適応を期待することは現実的でない。技能実習生の受け入れを検討する事業者は、トラブルや失踪などのリスク管理を入念に講ずる必要があるだろう。

さらに、雇用でなく実習であることを理由に、制度が副業を禁じていることも、トラブルの引き金になりかねない。実習生の賃金水準は実習地域の最低賃金を上回っていればよいのだが、ベトナム人実習生には、母国で借金をしてブローカーに100万円以上を支払っている例が少なくない。

その借金を返済するために、副業に走らざるを得ない実習生もいる。日本企業が続々と副業を解禁するなかで、実習を理由に副業を禁ずる規定も、いずれ見直しを迫られるだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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