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加藤厚労相、東京労働局長の処分検討=発言「甚だ不適切」

厚生労働省の勝田智明東京労働局長が報道各社に「皆さんのところ(に)行って是正勧告してあげてもいいんだけど」などと発言した問題で、加藤勝信厚労相は3日の閣議後記者会見で、勝田氏の処分を検討していることを明らかにした。
加藤厚労相は「監督指導の任に当たる、しかも労働局長の発言としては甚だ不適切」と指摘。既に勝田氏は蒲原基道事務次官から厳重注意を受け、発言を撤回して謝罪したが、「これから処分も出ると思うので、厳正に対処したい」と述べた。
 (時事通信 4月3日)

多くのマスコミ各社の就労実態が是正勧告の対象になりうるだろうが、当局の責任者が記者会見で戦線布告すれば、マスコミが(喧嘩を売られた)と反応することぐらい想定できなかったのだろうか。
勝田智明東京労働局長は、からかい半分で軽口をたたいたのだろうが、発言内容を額面通りに受け取れば、脅しと扱われかねない。官僚の規律が問われている渦中に、とんだ舌禍事件を引き起こしたものだ。

そもそも厚生労働省の就労実態が是正勧告の対象になっても不思議でない。就労実態に関する限り、厚労省もマスコミもお互い様である。お互いに過酷な環境で働いていて、容易に改善できないことも理解しあっているのだから、余計な刺激をしないほうがよい。
マスコミ各社も過剰に反応しないで、「是正勧告したいのなら、いつでもどうぞ」とあしらっておけばよい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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