Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

日立製作所、勤務間インターバル制度導入へ 労使で合意

日立製作所は今春闘の労使交渉で、終業と始業の間に最低11時間の休息を確保する「勤務間インターバル制度」を全社的に導入することで合意した。全社員約3万5千人のうち、管理職などを除く一般社員に適用する方針。今春から労使で制度設計にとりかかり、10月にも導入する計画だ。

組合側は制度の導入に向け、2年ほど前から水面下で経営側と交渉していた。残業時間の抑制や年休消化の促進を優先し、要求提出のタイミングをはかっていたが、「長時間労働を是正する取り組みに一定の前進がみられ、働き方改革の機運が一層高まってきた」(幹部)として、今春闘で初めて要求。経営側も受け入れた。製造現場に加え、企画や総務などの事務部門の社員も対象になる。組合側はグループ企業への導入拡大も視野に入れている。
勤務を終えた後、次の勤務が始まるまでに最低11時間の休息を確保するには、たとえば午後11時まで残業すると、翌日の始業時間を午前10時以降に遅らせる必要がある。
(朝日新聞デジタル 3月13日)

シンガポールに駐在経験のある元エンジニアリングメーカー幹部に聞いた話だが、現地の取引先を夜半まで宴席をもった場合、取引先は翌日の出勤時間を延ばすが、日本人駐在員は定時出社していたという。
「日本人はマジメだから、前日に遅くまで飲んでも定時に出勤するんです。私が駐在していたのは昭和の時代だから、連日のように取引先と飲んでいました。それだけ睡眠時間を削っていたわけで、体調を崩す社員もいましたが、病気をハードワークの勲章のように考える風潮がありましたからね」

働き方改革という言葉は労働者を主人公にセットしているが、労働者は働かせ方に従って勤務している。飲食店チェーンの店長が健康被害を受けるケースがたびたび報道されるが、営業時間を変更しにくい事業なので、勤務間インターバルの導入は難しいのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。