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日本電産・永守重信「私が出社時間を6時半から7時に遅くした理由」

日本電産は15日、吉本浩之副社長(50)が6月20日付で社長兼最高執行責任者(COO)に昇格すると発表した。永守重信会長兼社長(73)は代表権のある会長兼最高経営責任者(CEO)に就く。永守氏が日刊工業新聞に語った後継者像とは。

(中略)
 
最も大きな課題は私自身の働き方改革かもしれない。ただ、今まで6時30分に出勤していたのを7時にし、さらに遅くするなど少しずつ変えている。大量の社員向け年賀状返信もすべてにコメントを入れていたが、今年からやめた。
 
いずれ近いうちに社長のバトンを渡すことも考えている。できれば20歳程度若返らせて、海外にもどんどん出かけられる元気な人がいい。以前はいろいろと後継者について考えていたが、未熟でも思い切ってやらせてみて、私が横で見て育てていけばいいと思うようになった。
 
もちろん創業者としての言葉は私が語り続けなければならないし、ベンチャーや中小企業の経営者の育成も続けていきたい。一方で、社内の決裁などの業務は社長がやっていけばいい。私の最大の働き方改革は次期社長を作ることから始まる。
(ニュースイッチ 2月15日)

50歳の新社長を誕生させることで、永守重信氏は、新社長にベンチャー企業社長のような革新性とスピード感を期待しているのではないか。
一般論だが、社長の最大の仕事は次期社長を誕生させることともいわれる。しかし現実は、社長は育てるものではなく、育つものである。問われるのは資質である。目線の高さ、アニマルスピリット、世界観、運――最低でも、この4つは社長に不可欠な要件だろう。どれも努力ではなく資質に由来する。

次に注目される社長人事は、孫正義氏と柳井正氏の後任である。社内から登用するのか、それともスカウトするのか。ソフトバンクもファーストリテイリングも、日本電産の新社長の活動を見据えながら、次期社長が選定されるのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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