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NEC、執行役員に信賞必罰

――新中計に「経営の責任を明確にする」という表現があります。

「50人近い執行役員がいるが、ミッションを達成できなくても降格せず、クビにもならない。これからはできなければ責任をとる。NECにはゆるい、優しい制度が残っている。もっともっと厳しい会社にならなければならない。痛みをともなうかもしれないが、まず経営層がやっていく」
(日本経済新聞 2月10日)

この記事はNECの新野隆社長兼CEOへのインタビューである。NECは3000人の人員削減を発表したが、同時に執行役員の経営責任を明確に問うという。この記事で新野氏は「ミッションを達成できなくても降格せず」と発言しているが、上場企業の役員人事としては信じがたい。
 
執行役員に昇進すれば人事評価の治外法権にありつけていたのなら、これはもう倫理の欠如だろう。人員削減に着手して多くの社員に不遇を強いる以上、経営陣も身を切るのが道義である。
 
業績は経営陣に対する能力評価結果である。業績悪化で部下に退職を強いることは、評価としては最低ランクに等しい。終身雇用が終焉したとはいえ、経営陣が真っ当に責任を問われなければ、求心力は働かない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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