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柳瀬氏、NTT系の社外取締役に 加計問題で追及の元首相秘書官

20190216

NTTの澤田純社長は7日、東京都内で開いた決算記者会見で、傘下の海外事業を統括する中間持ち株会社の社外取締役に、学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題を巡り国会で追及を受けた元首相秘書官の柳瀬唯夫氏が就任したと明らかにした。
就任は2月1日付。澤田氏は「頼まれたわけでなく私からお願いした」とした上で「グループの対外交渉で(柳瀬氏の)世界的な人脈を活用したい」と選任した理由を説明。一連の問題によるマイナスイメージよりも「(グループの)メリットの方が大きい」と述べた。
(共同通信 2月7日)

国策企業と所轄官庁は持ちつ持たれつの関係にある。会社の存立基盤からNTTグループでは天下り人事は有効なのだろう。
だが、天下り人事がマイナス材料になっている業界もあるようだ。全国を駆け巡っている福祉経営コンサルタントは、社会福祉法人の理事長、理事、事務長への天下りを問題視している。
「理事長、理事、事務長を行政からの天下りで固めている法人は、昔ながらの経営に固執し続けて、新しい取り組みをしたがりません。いまだに施設経営を重点政策にして、在宅事業を考えていません。法人の合併・統合や協働化が進むと天下りポストが減ってしまうことが、大型化と協働化を阻害する要因になっていると思います。国が本当に社福の資産を社会還元に向かわせたいと願っているのなら、天下り人事を厳しく監視する必要があります」
天下りの受け入れには信頼性の演出という意図も潜んでいるが、いまの時代に、取引先や銀行がその意図に幻惑されることはない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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