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「派遣にも通勤手当を」 リクルート関連会社を提訴

正社員に支払う通勤手当を払わないのは違法だとして、人材派遣会社リクルートスタッフィング(東京)の元派遣スタッフの男性(46)が、未払い交通費約72万円を同社に求める訴訟を7日、大阪地裁に起こした。
 
訴状によると、大阪府富田林市の男性は2014年9月~昨年6月、同社の有期契約の派遣スタッフとして輸送会社の府内事業所など5カ所で勤務。時給は1100~1350円で、1日あたりの交通費往復1180~1580円は自己負担だった。
 
男性側は通勤手当で正社員と差をつける合理的な理由はなく労働契約法に違反する、と主張している。
 
同社は「派遣スタッフは通勤費用も勘案して給与額を設定している。訴訟については訴状が届いておらずコメントできない」としている。
(朝日新聞デジタル 2月7日)

通勤費は実費を支払えばすむのだから、本来、トラブルになるような問題ではない。実費を支払えば、通勤手当で正社員と差をつけることの是非も争点にならない。

遠距離通勤者に対しては上限額を設ける会社もあるが、応募時点で確認されている。

リクルートスタッフィングは、どんな意図で実費でなく「通勤費用を勘案した給与額」を設定したのか。採用時に通勤費用が給与額に含まれ、実費支給でないことをきちんと説明したのかどうかは知りようがないが、何かしらボタンの掛け違いがあったのだろう。

このニュースで気になるのは通勤手当の問題よりも、46歳の男性で雇用形態が派遣スタッフであることだ。本人が正社員でなく、あえて派遣を選んだのならともかく、チャンスを見つけて正社員に転じてほしいものだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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