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採用にAI、ミスマッチ解消

企業の採用に人工知能(AI)を使う動きが出てきました。採用した人材が期待した働きをしてくれない。せっかく採用した若者が「思っていたのと違った」と辞めてしまう。こんなミスマッチを解消する狙いです。
 
教育支援ベンチャーのIGS(東京)はAIを活用して性格や行動特性を診断するアプリを開発しました。採用に応募した学生にスマートフォン上で自分の考え方や行動パターンに近い選択肢を選んでいってもらうと、創造性や決断力、論理的思考、課題設定といった項目ごとに特性を数値化します。友人ら数名にも応募者を評価してもらい、スコアに反映します。
 
エントリーシートや面接では応募者のウソを見抜くことは容易ではありません。面接のテクニックを指南する本やサイトも氾濫しています。企業側も「創造力やコミュニケーション力のある人を」といいながら、実際には学歴に依存しがちです。
 
IGSのAIは過去のデータから学習し、自己評価や友人らからの評価の中から甘すぎるものや厳しすぎるものを見つけ、スコアを補正します。現在、働いている人のデータと合わせることで、採用担当者はどんな応募者が入社後に活躍できそうなのかを見ることもできます。
(日本経済新聞 1月29日)

AIによって社員の採否を的確に判断できるのなら、ベンチャー投資にもAIを活用できるだろう。投資対象の社長の人物は見極めが難しく、目利きを自称する人も、ひんぱんに外している。
 
エンゼルとしてベンチャー企業への投資実績が豊富な上場企業社長に人物の見分け方を尋ねたら、こんな回答だった。
「私は人物の目利き能力があるとは思っていませんよ。どんな人が企業家として伸びるのかは分かりません。ただ、失敗する人なら見分けがつきます。創業資金を自力でつくれない人、ミーハーな人間関係を好む人、権限を委譲できない人、こういうタイプは事業家として成功しません」
 
ベンチャー投資向けAIが開発されば、重宝されるツールになるだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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