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<違法長時間労働>引っ越し「アート」と元支店長を書類送検

東京労働局王子労働基準監督署は19日、労使協定(36協定)を超える違法な長時間労働をさせたとして、引っ越し大手の「アートコーポレーション」(大阪市)と同社京北支店(東京都北区)の支店長だった40代男性を労働基準法違反容疑で東京地検に書類送検した。
 
同労基署によると、2015年3月1~31日、引っ越し作業をする社員ら5人に対して36協定の上限を超える時間外労働をさせたとしている。時間外労働の上限は最長で月195時間だったが、それを2時間16分~30時間57分超えていた。
 
同労基署は数回にわたり是正勧告をしたが改善されなかった。同社は「厳粛に受け止める。現在は改善されている」としている。
(毎日新聞 1月19日)

長時間労働に対する労働基準監督署の是正勧告には(労働時間の上限管理を杓子定規に取り締まられたら経営が成り立たなくなる)という反発も多いが、政府に、是正勧告を緩める腹はない。

1日10付日本経済新聞は、次のように報じた。

「厚生労働省は違法残業の監督指導を強化するため、2018年度から労働基準監督官OBを非常勤職員として活用する。約50人の採用を想定。監督官の人手不足が問題となるなか、労使協定(36協定)を超える残業が疑われる事業所への立ち入り調査などでシニアの力を借り、社会問題になっている長時間労働の是正を図る」
 
度重なる是正勧告にしたがわなければ、法的措置に移行する流れはますます強まっていく。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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