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大和証券が全社員3%超賃上げへ

証券大手の大和証券グループ本社が全社員約1万4千人を対象に、来年6月から3%超の賃上げを実施する方針を固めたことが19日、分かった。20〜30代には上げ幅を上乗せして4〜5%超とする方向だ。労働力人口の減少を背景に人手不足が深刻となる中、待遇改善により優秀な人材を確保する狙いがある。
 
大和証券グループが全社員の賃金を引き上げるのは2年ぶり。管理職も対象に含むという。
 
安倍晋三首相はデフレからの脱却や消費拡大には賃上げが不可欠だとして2018年春闘で3%の賃上げを産業界に要請。政府、与党は18年度税制改正で、賃上げ企業に対する法人税減税の拡充策を決めた。
(福井新聞 12月19日)

その昔、年収1000万円以上のサラリーマンは“1000万円プレーヤー”として、ひとつのステイタスにもなっていた。その後、バブル期に金融業界と不動産業界を中心に1000万円超の社員が続出して、この金額は高給取りのシンボルではなくなった。

公開情報によると大和証券グループ社員の平均年齢は42.1歳、平均年収1072万円。当の社員たちには物足りない水準かもしれないが、高給取りであることには変わりない。それでも20~30代の賃上げを手厚くしないと、人材の流出を招きかねないと判断したのだろうか。

外資系証券会社やコンサルティング会社なら、20代で年収1000万円超の社員も珍しくなく、外資系企業に特化したヘッドハンティング会社の社長は「優秀な社員に対して年収1000万円は少ないですね。せめて2000万円はないとね。役員なら4000万円以上、社長なら1億円以上が最低水準でしょう」と話す。

もっとも、これは外資系の相場観だから、日本企業には参考にならない。こんな金額を支払っていたら、大半の企業は、たちどころに人件費倒産に至ってしまう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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