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日本人の有休消化率、世界最下位 エクスペディア調査

日本人の有給消化率は2年連続で世界最下位――旅行サイトExpediaの日本法人・エクスペディア・ジャパンが12月11日、こんな調査結果を発表した。有休消化に「罪悪感がある」と考える日本人は6割以上にのぼり、これも世界最多だった。
 
日本のほか米国、フランス、スペイン、インド、韓国、オーストラリアなど世界30カ国の有職者(18歳以上)計約1万5000人に対して今年9月、ネットでアンケート調査した。
 
日本人は、平均有休支給日数20日に対して消化日数は10日で、消化率は50%にとどまった。日本の次に消化率が低いのは韓国で、67%(支給15日、消化10日)だった。
 
日本人が休みを取らない理由の1位は「緊急時のために取っておく」。病気休暇が導入されていることが多い海外と異なり、日本人は病欠時に有給休暇を利用するためだろうと同社は指摘している。2位は「人手不足」、3位は「職場の同僚が休んでいない」だった。
 
また、「休暇中でも一日中仕事のメールをチェックする」と回答した人の割合は日本人が22%と最も多かった。
(ITmedia NEWS 12月11日)

有給休暇に入る前日に、上司や同僚に向かって「すみませんが、明日から…」と断わって退社する光景は、いまも多くの職場でつづいている。有休取得は当然の権利なのだが、それでも(休むことは後ろめたい)という心理が職場に巣くっている。

有休取得を義務にしても、この心理は簡単に改まっていない。働き方改革も労働者の心理にはおよばず、いまだに就労は滅私奉公なのである。その良し悪しはともかく、滅私奉公は日本人の気質に合うのだろう。

もはや有休取得目標などを設定せず、放置しておくのが現実的かもしれない。病気や介護などで休まざるを得ないときに、遠慮なく休める職場に改革しておけば、それで十分と割り切る以外にない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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