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「会社の法律は俺」…残業代不払い、長時間労働当たり前のエステ業界

「固定給23万円プラス諸手当」の求人募集に応募したが、残業代はいっさい支払われなかった-。東京都内で「エステティックサロンさくら」を経営する化粧品販売業「ベルフェム」で働いていたエステティシャン7人が会社に残業代支払いを求めて、東京地裁に相次いで提訴した。残業代を支払わず長時間労働を強いる職場は「ブラック企業」と呼ばれているが、エステティシャンらは「私たちを大切にしないことは、お客さまを大切にしないことだ」と訴える。女性に美を提供する華やかなイメージがあるエステ業界は、実は、休憩も取れない長時間労働が当たり前といわれる。提訴で改善に向かうのか。

「だれが言っても出せないものは出せない。逮捕されても出せない」
 
今年8月10日ごろ、「エステティックサロンさくら」代官山店に現れたベルフェムの佐々木徹会長は、従業員約10人を前に、強い口調で話し始めた。当時、会社は銀座店(閉店)のエステティシャンに残業代を支払っていないことなどが労働基準法に違反するとして、品川労働基準監督署から是正勧告を受けていた。
(産経新聞 12月8日)

この記事によると、佐々木氏は社員に向かって「弁護士に相談しても俺の言ってることが間違ってるって。裁判やっても勝てないって言うけど、勝てる勝てないの問題じゃない」「会社の法律は俺だって思ってるから」と発言したという。
 
このタイプは人を雇わずに、一匹狼で店舗運営にあたることが望ましい。一人親方なら、どれだけ働こうと自由である。店内では、名実とも自分を法律として自己満足に浸りつづけられる。
 
だが、自分が法律と思いたいタイプは、一人親方では物足りないのだ。多くの部下に対する支配欲を満たせてこそ、自分が法律なのである。支配欲を満たす拠り所が“自分=法律”なのである。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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