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<ブラックバイト訴訟>和解成立…全国初 千葉地裁

大手飲食チェーン「しゃぶしゃぶ温野菜」でアルバイトをしていた男子大学生(22)が長期間無休で働かされたなどとして、運営会社に未払い賃金や慰謝料など計約800万円の支払いを求めた訴訟は9日、千葉地裁(小浜浩庸裁判長)で和解が成立した。学生側の弁護士などによると、会社側が解決金を支払い、謝罪する内容。金額は明らかにしていないが、未払い賃金額を上回るという。
 
運営会社は千葉県成田市の「DWE Japan」の訴状によると、男子学生は同県船橋市にあったフランチャイズ店で2015年4月から120日以上連続で長時間働かされ、元店長や元従業員から暴行や暴言を受けたなどと主張していた。
 
学生を支援した労働組合「ブラックバイトユニオン」によると、学生が被害を訴えたブラックバイトを巡る訴訟の終結は全国初とみられる。同ユニオンは「良い内容で和解できた」としている。
 
元店長と元従業員は学生に告訴され、暴行罪などで罰金刑が確定している。
(毎日新聞 11月10日)

この件では、本部の担当役員と運営会社の社長が記者会見を開いて、事実関係と再発防止策の報告を行ったほうがよい。

収益目標を前に、飲食店チェーンの店舗はピリピリとした空気が形成されがちで、パワハラへの導火線が点火されやすい。その空気は客も敏感に感じ取り、居心地の芳しくない店舗として風評が広がっていく。アルバイトも離職し、悪循環に入っていくのだが、これを回避するのは店長の手腕だ。

実際、店長次第で店舗の業績はおもしろいように上下する。悪立地の不採算店舗に再建役で配属された店長が業績を好転させるケースは珍しくない。そんな店長が就任した店舗では店員同士の関係も良好で、パワハラの発生する余地などない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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