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勤務医、2千時間超の残業 香川の県立病院、医師不足で

香川県内の県立病院で昨年度、時間外労働が2千時間を超える勤務医がいたことが7日、県への取材でわかった。また勤務医約50人が、労働基準法に基づく法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた時間外労働を可能にする労使協定(36〈サブロク〉協定)の上限を超えて働いていた。県は背景に医師不足があるとし、「医師確保に努めているが、妙案はない」としている。
 
県によると、県内にある中央(高松市)、白鳥(東かがわ市)、丸亀(丸亀市)の3県立病院の36協定は「月45時間、年360時間」が原則。特別条項で中央、白鳥は「月100時間を6回を限度に、年800時間」、丸亀は「月70時間を3回を限度に、年480時間」を上限としている。
 
残業時間が最長だったのは、丸亀病院の精神科医で年2258時間。精神科医5人で回す宿直を、この医師が多めに引き受けていたという。県立病院課は「精神科の救急患者は多くなく、宿直では超過勤務をしながらも眠れていることが多い」としている。中央病院でも、手術や緊急呼び出しなどで残業が年2102時間の医師がいた。
(朝日新聞デジタル 11月7日)

厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」では、次のような意見が出た。

・医師と一般労働者が異なる点として、応召義務、自己研鑽、高い職業意識、倫理観といった特殊性があるのではないか。

・大学病院においては診療・教育・研究が入り交じっており切り分けることができず、基礎系の教官は裁量労働であるが診療系の場合は裁量労働になじまない。

・大学病院の勤務医は、大学での勤務終了後にアルバイトに行ったりもしているが、この分の時間管理はできているのか。

・長時間労働の原因である業務量が、事務的な業務なのか、患者対応なのか、患者対応については時間外のものが多いのか時間内のものが時間外になっているのか等をきちんと見ていく必要があるのではないか。

……医師の過重労働を改善するには、患者の理解も必要である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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