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介護人材 足りない 自助努力限界

介護業界の人手不足が深刻さを増している。社会保障の充実は衆院選の争点の一つだが、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年を見据え、介護人材をどう確保していくのか、道筋は見えない。3年に1度の介護報酬改定を18年4月に控え、現場からは「議論をもっと深めて」と切実な声が上がる。
(中略)
厚生労働省によると、16年の介護職員の所定内給与は21万5千円で、全産業平均の月30万4千円を約9万円下回る。介護施設の収支を左右する介護報酬が改定される18年4月に向け、全国老人保健施設協会など12団体は、「介護の現場を守る」を合言葉に、人材確保難をなどを訴えようと署名活動を始めた。
(日本経済新聞 10月20日)

介護人材の確保に向けて、厚生労働省は中高年人材の新規参入を模索している。厚労省発表資料には、次のように書かれている。

①全国で約120万人の中高年齢者(50歳~64歳の者)が、高齢者向けの社会参加活動(ボランティア)を行っており、中高年齢者層の介護分野への関心が高いことがうかがえる。
②福祉人材センター、シルバー人材センター、ボランティアセンターの連携のもと、将来的に介護分野での就労を視野に入れている方々の掘り起こしを行い、以下の取り組みを通じた介護分野への新規参入促進を図る。
③介護職として従事する際に必要となる基礎的な知識・技術を学ぶための入門的な研修や職場体験の実施

以上の施策を推進しても、中高年層が職業として介護職を選ぶだろうか。介護分野への関心が高くとも、中高年になって過酷な職場に飛び込むかどうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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