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トヨタ労組、裁量労働の提案承認

トヨタ自動車労働組合(約6万8千人)は14日、愛知県豊田市で定期大会を開き、会社側が提案していた裁量労働の対象を広げる新制度案を承認した。入社10年目前後の係長級を対象に、残業時間に関係なく毎月45時間分の手当に相当する17万円を固定で支給。月45時間を超えた分の残業代も支払う制度を12月から実施する。社員の働き方の選択肢を増やし、生産性などの向上につなげる。

対象となる係長級の事務員や技術員は約7800人。在宅勤務が前提で本人が適用を申請し上司などが承認する。「残業時間が短いほどメリットが大きくなる」(トヨタ人事部)。人件費は一時的には増えると見込むが、人材育成など利点が大きいと判断した。トヨタは裁量労働制を導入済みだが、対象が限られるなどの課題もあり、製造業に合った独自の制度を入れることにした。
(日本経済新聞 10月15日)

 
働き方の選択を突き詰めると、行き着くのはフリーランサーである。つまり自営業者である。まして副業が許可されれば、法人化して節税対策を講じたほうがよいかもしれない。実際、この提言が示されたことがある。

1990年代にさかのぼる。公認会計士の安部忠氏が「サラリーマン法人化」を提言した。終身雇用の終焉を見越して、社員が自宅を本社として法人を設立し、勤務先と5年程度の業務委託契約を結び、家族が業務を補助する場合は役員に起用する。自営業者である以上、本業・副業という区分けがなくなるので、勤務先の競合先でなければ、どこと取り引きしても構わない。

こうした仕組みを希望者には適用したらどうかという提言だったが、多くのササラリーマンは帰属意識を求め、会社も管理監督を望むから、サラリーマン法人は提言に終わった。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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