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支店長は「名ばかり管理職」=コナミスポーツに残業代命じる―東京地裁

コナミスポーツクラブ(東京都品川区)が支店長を管理職として扱い、残業代を支払わないのは不当だとして、元支店長の女性が未払いの残業代約650万円を求めた訴訟の判決が6日、東京地裁であった。
 
佐々木宗啓裁判長は、同社の支店長は労働基準法が定める管理監督者に当たらない「名ばかり管理職」と認め、同社に約400万円の支払いを命じた。
 
佐々木裁判長は、同社の支店長はアルバイトの採用や備品の購入に本社の決裁が必要だったと指摘。労働時間もタイムカードで管理され、「経営者と一体的な立場にあると言えるだけの重要な職務と権限を付与されていなかった」と判断した。
 
判決によると、女性は1989年に入社し、2007~14年に都内2カ所で支店長を務めた。
(時事通信 10月6日)

労務管理に関わる不法行為に対して、司法が厳格に対応する流れが強まっている。これまでが甘すぎたのである。

名ばかり管理職問題は、そもそも権限を与えたくないのなら管理職に登用しなければよい。だが、姑息な思考の浸透した会社は、人件費抑制を目的に管理職に登用してしまうのである。権限の基準もあえて不透明にしておき、本人が権限を行使しようとすると、途端に決済を要求する。

そんな会社は社員の足元も見ている。残業代の支払いを回避するために管理職に登用したのに、会社側の意図を読めずに、役職に満足をして残業代未払いに疑問を抱かない。この心理を見透かして、名ばかり管理職人事を横行させている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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