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インターンは半年以上 深まる相互理解、離職防ぐ

10月に内定式を開く大手企業は多いが、中小・ベンチャーの採用活動はまだ続いている。今年の新卒採用は空前の売り手市場で、学生の人気は大手に集中。新卒採用に苦戦するベンチャーでは、学生により関心を持ってもらえるようにインターンシップ(就業体験)を充実させ、半年以上のコースを増やしている。学生にとっても企業と長期の関係を築き、理解を深められることから就職後のミスマッチが少なくなると好評だ。

(中略)

大手企業が秋冬に開くインターンではより多くの学生と接触するため、1日や2~3日の短期が急増している。一方、ベンチャーが長期インターンに力を入れるのは、学生に自社のことや業務を正しく理解してもらい、短期での離職を避けたいからだ。
(日本経済新聞9月30日)

インターンを受け入れるような企業は、成長力があって、人事教育体系も未整備ながらも整備に取り組んでいる。インターンシップを実施すれば、学生に企業の内実を品定めされるのである。長時間過重労働やハラスメントの横行などは論外だが、働き甲斐のある職場かどうか、何よりロールモデルにしたい社員がいるかどうか。

品定めされることだけでなく、学生を囲い込む自信がなければインターンシップは逆効果だが、中小・ベンチャー企業にそんな悠長なことに気をもむ余裕はない。とくに採用担当者は、採用人数が目標数に到達したかどうかが査定の対象になるため、何としても他社に逃げられないように腐心する。

インターン期間はいわば試用期間でもある。入社後の試用期間は形骸化しているが、インターン期間なら企業も学生も相性を確認し合って、入社の可否をビジネスライクに判断できる。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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