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消防団に外国人受け入れ いちど断った岐阜市、方針転換

岐阜市は今年度から、それまで認めていなかった外国籍住民の消防団への入団を認めた。担い手が不足する団員の確保を図りたい考えだ。
 
市消防本部によると、2009年度に設置した市消防団検討委員会で、消防団の活動が「公権力の行使」にあたる場合があるとして、日本国籍を持たない人の入団を認めない方針を決定。昨年4月、トルコ国籍の人が入団を希望したが断ったという。
 
この対応を問題視した市議が昨年6月に市議会で質問。市は外国籍住民の入団は「地域の防災力向上に資する」などと答え、方針転換を検討する意向を示していた。
 
市は新たに内規を設け、永住権取得などを条件に外国籍住民の入団を認めることに。今のところ入団した外国籍住民はいないという。市の担当者は「団員不足の解消につなげるとともに、多文化共生社会の中で地域の防災力を高めていきたい」と話した。
(朝日新聞 8月21日)

人手不足を解消するには、中高年を活用するか、主婦を含む女性を活用するか、外国人を活用するか。生産性を向上させつつ、この3つの人材確保策を講じるしかない。

外国人雇用はこれまで想定していなかった業種や職種で進んでいくはずだ。EPA(経済連携協定)によって2008年からベトナム、インドネシア、フィリピンから介護人材を受け入れた時には(高齢者の心身を外国人がケアできるのか?)と疑問視されたが、言葉の壁を除けば、介護現場に対応できているケースが多い。

ドライバーのように職種によっては法的規制の強い領域もあるが、労働集約型の業種では一定の体力も求められるため、外国人を雇用しない限り業務を運営できなくなるだろう。

しかし、送り出し国の経済発展が進み、日本との格差は縮まれば、日本に働きに来る動機も減ってくる。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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