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「健康経営」中小が宣言 1万社突破、認定制度も活用

従業員の健康増進を通じて生産性や業績を高める「健康経営」の取り組みが中小企業に広がってきた。大企業が先行していたが、政府が中小向けに設けた認定制度などを活用し、優秀な人材の確保につなげたいところが多い。働き方改革に伴う残業時間の上限の法制化をにらみ、業務を効率化する手段としても注目されそうだ。

「大企業は健康経営をどう実践しているのか」。包装機開発の日本テクノロジーソリューション(兵庫県高砂市)は昨年、テルモなど大企業が健康増進策を共有する「KENKO企業会」に入会した。従業員は約30人。「認知度が高い大企業と違い、人材が競争力の全て。心身とも健康でないと前向きに働けない」と前田耕治社長は話す。
(日本経済新聞 7月31日)

経済産業省と日本健康会議は、社員の健康増進に取り組み中小企業を「健康経営優良法人」に認定している。認定基準は①健康経営の促進を表明、経営者自身が健康診断を受診②従業員の健康を改善する担当者の設置③健康管理に関する法令違反がないこと④ストレスチェックの実施⑤長時間労働を抑制する取り組み――などである。

従業員の健康増進を図る「健康経営」の実践がリターンをもたらすことは、ジョンソン・エンド・ジョンソンが世界各国のグループ企業250社・従業員約11万4000人を対象に実施した調査で実証されている。

健康経営優良法人の認定を取得するかどうかはともかく、いまや健康経営の推進は人材確保の必須要件だ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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