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バス運転手、拘束13時間以上が2割=25%は睡眠5時間未満

バス運転手の約2割が1日13時間以上拘束され、4人に1人は睡眠が5時間未満―。
国土交通省が約7000人に行ったアンケート調査で、運転手の一部が厳しい労働環境に置かれている可能性を示す結果が出た。同省は「国の基準に違反するような長時間労働は安全に運転できない恐れがあり、改善してほしい」と呼び掛けている。
 
アンケートは、軽井沢スキーバス事故の対策を検討する有識者委員会の要請を受け、3~5月に労働組合を通じて実施。全国のバス運転手の5%余に当たる7083人が回答した。これほど大規模な調査は初めて。
 
直近4週間の勤務状況を尋ねたところ、1日当たりの平均拘束時間が「13時間以上」は11.1%だった。国は運転手の拘束時間について、「原則13時間以内」などとする基準を定めている。
(時事通信 7月4日)

本来、睡眠時間の確保は自己責任だが、会社が管理せざるをえないほど運転手の手配が逼迫しているのだろう。人手不足を補うのに外国人運転手の雇用に向かうのか。おそらくバス会社の経営統合が進み、限られた人材の適正配分を模索するだろう。

限られた人材で需要をカバーするために、事業者のあり方が示されたのは介護業界である。厚生労働省の老人保健健康等推進事業として運営された地域包括ケア研究会が発表した「2016年度版地域包括ケア研究会報告書」で、介護事業者の選択肢として「現状維持」「法人規模の拡大」「他事業者・法人との連携」「経営統合」と4つが提言された。
 
現状維持の選択は有力な事業者に限られるから、多くは他の3つのどれかを選択するようになるのだろう。バス会社も同じような選択肢に迫られているのではないか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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