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国内金融の年間給与、スルガ銀が85地銀でトップ

国内金融機関の平均年間給与は、スルガ銀行が85地方銀行の中で首位で、大手行の三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行の水準を上回っていることが、ブルームバーグ・ニュースの集計で分かった。

スルガ銀行が1531人の従業員に支払った年間の平均の給与は、賞与と基準外賃金を入れて810万6000円(平均年齢は42.5歳)で地銀首位。2位は静岡銀行で、千葉銀行、阿波銀行、群馬銀行と続いている。各行がこのほど金融庁に提出した有価証券報告書をまとめた。

明治28年に設立、静岡県を中心に神奈川県、東京、北海道内に133店舗を持つスルガ銀はユニークなビジネスモデルを持つ。個人が主な顧客で、住宅ローンやカードローンなどを提供、年利8%のロードバイク購入ローンなどの商品もある。マイナス金利の環境下でも同行の2016年度の純利益は5年連続となる過去最高を記録した。
(Bloomberg 7月5日)

やはり銀行員は高給取りである。学歴と収入はほぼ比例するが、銀行員は他業種に比べて高学歴だ。昔から世の中は学歴ではなく実力といわれつづけているが、新卒採用の場合、潜在能力の見極めなど不可能に近く、学歴で判断せざるをないのが実情である。
 
一方、高学歴が貧困をもたらす職業もある。大学教員だ。専任の職を得れば収入は安定するが、専業の非常勤講師は過酷だ。大学によって多少の差はあるが、非常勤講師の1コマ当たりの報酬相場は月2万5000円前後。ひとつの大学で週に2コマを担当するのが通例なので、報酬は月5万円となる。
 
複数の大学で講座を引き受けても、「6校が限界」(都内の複数の大学に勤務する非常勤講師)という。6校なら報酬総額は月30万円前後で、年収は360万円前後にすぎない。研究費は支給されないので、地方開催の学会への出張費用も、書籍の購入費用も自腹である。
 
好きで選んだ道とはいえ、専任の職を得られない限り、暗澹たる日々を送らざるをえない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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