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介護技能実習に外国人 まずベトナム1万人

政府は11月から介護分野でベトナムの外国人技能実習生の受け入れを開始する。介護を学びたい外国人が日本に来やすいよう、日本語教育の環境整備から受け入れ先の選定まできめ細かにサポートする。高齢化が急速に進む新興国の人材育成を支援するとともに、国内で不足する介護人材の確保にも道をひらく。まずベトナムから3年間で1万人の参加を見込む。
 
政府は昨年、外国人技能実習制度の対象に「介護」を加えるよう法整備した。具体的な受け入れ計画を14日に開く健康・医療戦略推進本部の会議で発表する。
 
政府は制度開始に伴い、まず「ベトナム・モデルルート」と呼ぶ支援制度を構築する。同国からは年内にも300人程度が来日。その後、タイやラオスなど他のアジア各国からも順次、受け入れを始める。
(日本経済新聞 6月13日)

 
遠からず介護施設もコンビニエンスストアや居酒屋チェーンのように、外国人スタッフの就労に違和感がなくなるだろう。日本人スタッフで固めるべく賃金や勤務時間の改善を進めても、若者に就職先の候補に入れてもらうには、相当な改善が必要だ。

しかも産業界全体が賃上げと労働時間短縮を進めるなかで、介護業界の改善努力は霞んでしまう。もはや外国人の雇用に踏み切らないと、人員配置基準をクリアできなくなりつつあるのだが、大量に受け入れれば、日本の若者の目には“外国人で賄っているような職場”と映り、ますます見放されてしまいかねない。
当然、農業技能実習生をめぐって発生している失踪や、雇用主とのトラブルが頻発しないとも限らない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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