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大卒就職率、過去最高97.6%=高卒も26年ぶり水準

厚生労働省と文部科学省は19日、今春に卒業した大学生の就職率(4月1日時点)が前年同期に比べ、0.3ポイント上昇の97.6%になったと発表した。6年連続で改善し、1997年の調査開始以来の過去最高を更新した。文科省が発表した今春卒業の高校生の就職率(3月末時点)は、0.3ポイント上昇の98.0%と7年連続で改善した。91年春(98.3%)以来、26年ぶりの高水準。
 
学生に有利な「売り手市場」となる中、大卒で就職を希望した学生の割合は、74.7%と過去最高だった。厚労省は「景気回復に伴い、企業の採用意欲が向上している」(若年者雇用対策室)と分析している。
(時事通信 5月19日)

都内のITベンチャー企業の人事部長を取材する機会があった。知名度がいまひとつなので応募が少なく、人事部長は地方の大学や専門学校を廻っているが、ベンチャー企業は就職先の候補から外されているという。

「地方ではベンチャー企業というだけで関心をもってもらえないのです。ベンチャーに就職するぐらいなら大企業の地方工場や地元の堅実な企業に入りたいと。そんな傾向が強いので、まったく手応えがありません」

相変わらず安全志向が強いのだが、やむをえない事情もあるようだ。都内の私立大学4年生によると、奨学金の返済が安全志向の要因だという。

「自分は地方出身なので奨学金を借りていますが、地方の学生も、実家暮らしでなければ奨学金を借りている人がかなりいると聞いています。就職した途端に返済が始まるので、就職先に安全パイを選ぶのは仕方がないんですよ」

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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