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<休日労働>「抑制」努力義務に 厚労省、労基法指針明記へ

厚生労働省は27日の労働政策審議会の分科会で、労働基準法の指針に「休日労働の抑制」を努力義務として明記する方針を示した。休日労働は、政府が新たに設定する残業時間の上限規制(年720時間)の対象外となっているため、「抜け穴」との指摘が出ていた。指針に基づいて企業を指導できるが、強制力はない。

分科会は大筋で了承。政府は秋の臨時国会に残業の上限規制などを盛り込んだ労働基準法改正案の提出を予定している。厚労省は改正法施行に合わせ、2019年度の指針見直しを目指す。

残業規制案のうち「月100時間未満」「2~6カ月の平均がいずれも80時間以内」の規制は労基法で定められた法定休日(週1回以上)の労働も含めた時間数だが、「年720時間以内」には休日労働分は含まれていない。前回の分科会で労働側委員から「休日労働ができるかのような誤解を与えないようにすべきだ」との指摘が上がっていた。
(毎日新聞 4月27日)

長時間労働問題は労働者の間でも賛否両論だ。エン・ジャパンがこの3月に実施した調査(有効回答755人)によると、「残業は撤廃したほうが良いか」に対して「いいえ」が54%で、「はい」をやや上回った。

「いいえ」の理由には、次のような回答があった。

「残業にならないように時間配分しながら仕事をしていても、どうしてもその日のうちにやらないといけないこともあると思う」「当日中に済ませなければならない事項・顧客対応などもあり、臨機応変・柔軟に対応しないと中小企業はついて行けない」「どの企業も繁忙月、時期はあると思うのでその対応を無理に減らすことはないと思う」。

必要な残業もあるという意見である。残業が一定時間を超えた翌日には時差出勤をするなど、健康管理を講じないと、必要な残業がどんどん増えてゆくのではないか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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