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日本、長時間労働「変革を」=OECDが提言

経済協力開発機構(OECD)は13日に公表した対日経済審査報告で、経済成長のためには「長時間労働の文化を変革し、ワークライフバランスを改善することが必須」と強調した。

また、借金を重ねる日本の財政に懸念を示し、健全化に向け消費税率を段階的に引き上げるよう求めた。

報告書は、労働力減少が日本経済の主要課題の一つと指摘した上で、特に「長時間労働によって、家庭ある女性の労働参加が妨げられている」と分析。女性の就労を促すためにも、サービス残業の削減や、拘束力のある残業時間の上限設定などが必要だと訴えた。高齢者や外国人の活用も「労働力減少を抑える」とした。
(時事通信 4月13日)

多くの企業は、国が働き方改革の音頭をとらなければ労働時間の削減を実施できなかった。外圧が必要だった。国もOECD からの外圧を受け、働き方改革に弾みをつけやすくなった。残業時間の上限100時間の撤廃も、外圧を受ければ、たぶん経団連はおとなしく主張を引っ込めるだろう。

自己改革には自己否定がともなう。だから難しい。とくに企業の場合、腹のすわった経営幹部でない限り、保身を優先して労務管理の責任など看過するだけだ。労働基準法から逸脱した過酷な就労で今の地位を獲得したのだから、これまでの就労形態を否定されることに、本能的に抗いたくなるだろう。

しかし、外圧頼みでは、長時間労働の撲滅は遅々として進まない。旧来の就労観を払拭するには、思い切った世代交代に踏み切る以外にない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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