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残業上限、月平均60時間=繁忙期は100時間―政府調整

政府が働き方改革に向け、残業時間の上限を年720時間、月平均60時間とする方向で調整していることが28日、分かった。

繁忙期は月100時間まで認めるが、2カ月平均で月80時間の制限も設ける。青天井の残業が事実上可能な労使間の「36(さぶろく)協定」を見直し、ほぼ全業種を対象に上限を設定。違反企業に罰則を科し、過労死を招くケースもある長時間労働を是正する。

政府は2月1日に開く働き方改革実現会議で、残業の上限規制に関する議論を本格化する。年内に労働基準法改正案を提出し、2019年度にも上限規制を導入したい考えだ。

厚生労働省は、過労死の労災認定基準について「1カ月100時間超の残業」または「2~6カ月間平均で月80時間超の残業」と定めている。これら過労死の基準に抵触せず、企業活動の実態にも配慮し、残業の上限を設ける。
(時事通信 1月28日)

経団連など企業側の一部には、企画業務などは時間管理になじみにくいことや、繁忙期での業務量増大を理由に、一律に労働時間の上限を設けることは適切ではないという意見もある。言い分はわかるが、上限の設定に反対する場合は、健康管理対策を明確に示すことが絶対条件だ。

当然、示された健康管理対策が適切かどうかを医学の知見から審査し、さらに適切に運用されているかどうかも定期的に点検しなければ、骨抜きになってしまうだろう。対策を策定して仕組み化することはできても、運用はそう簡単にはいかないのではないか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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