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パワハラと感じたら…しっかり会話、社内に味方つくって

職場のストレスの多くは人間関係によって生じる。中でも特につらいのはパワーハラスメント(パワハラ)だ。社員も職場も荒廃してしまう。だが、自分が傷つけられたと感じる相手の言動は本当にパワハラなのだろうか。パワハラと「指導」を分けるポイントや、対応策を専門家に聞いた。

新人Sさんの上司は暴言で有名だ。「これだから二流大学出は使えない」「給料泥棒は辞めろ」などは日常茶飯。Sさんは最近よく眠れず、会社に行くのがつらくてたまらない……。

厚生労働省によれば、パワハラは同じ職場で働く者に対し「職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的・肉体的苦痛を与え、または職場環境を悪化させる行為」とされる。
(日本経済新聞 1月23日)

 大手エレクトロニクスメーカー本社で課長代理に就く女性によると、この会社では課長就任直前の女性に対して、課長に就任できなかった古参の男性社員たちが、陰に陽に業務を妨害してきて数人を退職に追い込んだという。

被害に遭った女性の何人かは社内のパワハラ相談窓口に駆け込んだが、「男性社員は上司の立場にないため、あなたに対して優位性をもっていない」「男性社員に悪気が認められない」などの理由で、どの相談も不問に付されてしまったという。

「加害者の男性たちは、かつては上司でしたが、課長になれず調査役になったので、たしかにいまは上司とは言えませんが、かつて部下だった女性に役職を越されることを根にもっているわけです」(課長代理の女性)

女性の幹部登用に伴って、元上司によるハラスメントという新たな問題が発生しているのだ。職務上の権限の有無を問わず、ハラスメントには厳格に対処すべきである。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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