Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

雇用が4年で250万人増、60代以上の労働参加率高まる

緩やかな景気回復の下で、雇用者数が伸びている。2016年11月時点で5733万人となり、直近4年で250万人増えた。特に女性が目立ち、出産や子育てのためにいったん仕事を離れる「M字カーブ」は解消されつつある。男女ともに60代以上の労働参加率も高まった。人口は減り始めており、働く意欲のある女性や高齢者を支える環境整備が課題になる。

雇用者数は安倍政権が発足し、景気回復期にも入った12年12月以降、右肩上がりで伸びている。12年12月と16年11月を比べると、250万人増えた。内訳は男性が約80万人、女性が170万人で、女性の増加が大きな要因であることがわかる。
 
40~59歳の女性が4年間で約130万人増えており、全体をけん引した。
(日本経済新聞 1月8日)

外国人労働者に依存せざるをえないほど慢性化した人手不足で、続々と定年が延長され、遠からず70歳が標準になるだろう。この流れを後押しするのが、日本老年学会の提案である。同学会は、65歳~74歳を准高齢者、75歳~89歳=高齢者、90歳以上を超高齢者とすることを提案した。

この提案は社会保障制度の改正が目的ではなさそうだが、定年を75歳まで引き上げ、年金支給開始年齢もそれに準じた措置になる前兆ではないのか。そう勘ぐりたくなるのが普通だ。

定年が延長されるのはよい。健康寿命を引き伸ばし、医療費の抑制にもプラスになるだろう。しかし、年金支給開始も延長されるのは、60代の中頃になったら仕事のペースダウンを図りたいと願望する現役世代にとっては、約束を違えられたようで容認しがたい。まるで「死ぬまで働け」と迫られているかのようだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。