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三菱電機で残業隠し 研究職が精神疾患で労災認定

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三菱電機の元研究職男性(31歳)が、精神疾患になったのは長時間労働が原因だったとして、藤沢労働基準監督署に労災認定された。男性は11月25日に厚生労働省で記者会見し、解雇の撤回と職場環境の改善を訴えた。男性は会社から「病気休業の期間が終わった」として解雇されている。
男性は2013年4月、研究職として入社した。配属先は、神奈川県鎌倉市の情報技術総合研究所。半導体レーザーの研究開発をしていたという。

労基署は、男性が2014年4月上旬ごろ、「適応障害」を発症したと認定。2014年1月以降、研修論文作成業務で著しく業務量が増加し、それまでの倍以上、月100時間を超える時間外労働があるなど、心理的負荷が「強」だったとして、11月24日付で労災を認めた。

ところが男性の場合、会社に記録された残業時間は、2015年11月16日~12月15日が37時間30分。翌月以降も37時間、59時間30分、52時間、32時間だった。
男性は、残業時間を「自己申告」するルールだったが、時間通りの申告が許されなかったのが原因だと主張。「会社による残業隠しだ」と批判している。
(BuzzFeed Japan 11月25日)

いくら政府や経団連が長時間労働の是正を呼びかけても、業務の仕組みを改善しない限り、長時間労働は解消されない。この状態で残業時間の削減目標が示されたら、現場の所属長によっては、部門目標の達成へと残業隠しに走るだろう。

その方便として昔から乱用される手段は、所定時間内に業務が完了しないのは業務量の問題ではなく、当人の生産性の問題だから、超過分は自己責任であり、残業時間として認めないという理屈の押しつけだ。能力不足に対して残業手当という対価を要求するのは筋違いというわけだ。

残業時間を正確に申告できないように追い詰め、これが部門全体に蔓延すると過少申告文化ができあがってしまい、過少申告に疑問を抱く感覚が麻痺してしまう状態にすら至る。この病は相当に厄介である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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