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新内閣の重点課題に働き方改革

安倍晋三首相は3日、内閣改造を行い、皇居での認証式を経て第3次安倍再改造内閣が発足した。記者会見で首相は新たな布陣を「未来チャレンジ内閣」と名付け、重点課題として働き方改革を進める考えを表明。新設の働き方改革担当相を兼務する加藤勝信1億総活躍担当相を中心に、年度内に具体的な実行計画をまとめる方針を打ち出した。

首相は「長時間労働を是正する。同一労働同一賃金を実現し、非正規という言葉をこの国から一掃する」と強調。加藤氏のもとに関係閣僚と有識者による会議を設け、最低賃金引き上げの環境整備や高齢者の就労促進も検討する。
(毎日新聞 8月3日)

安倍首相が述べた「非正規という言葉をこの国から一掃する」は景気づけの発言としてはよいが、現実にはありえない。

政府が非正規労働者の正規化をどれだけ求め、補助金を用意しても、企業の人件費コントロール策から非正規労働者はこれからも輩出されつづける。たとえば在宅ワークを例にとると、正社員の2分の1以下のコストで済むという試算もある。

ある在宅ワークサービス会社の資料によると、経験1~3年の正社員を雇用した場合、月給25万円、交通費1万5000円、社会保険料4万5000円と設定すると、時給換算で1760円となる。これに対して在宅ワーカーに発注すると、1コール30円で1日20件コールしても、時給600円にすぎない。

これは一例だが、業務によっては非正規労働者を積極的に活用する流れはもはや止められない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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