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「管理職めざす」女性57%―国立女性教育会館調べ

民間企業で働く入社1年目の社員を対象とした昨年の調査で、「管理職を目指したい」「どちらかというと目指したい」とする男性は計94%に上るのに対し、女性は計57.7%にとどまっていることが24日、分かった。管理職を目指さない理由(複数回答)として女性が最も多く挙げたのは「仕事と家庭の両立が困難になる」(66・7%)だった。

調査は独立行政法人「国立女性教育会館」が昨年入社した新卒の正社員の男女を対象に同10月、インターネットを通じて実施し、1258人が回答した。

女性が管理職を目指したくない2番目に多かったのが「能力がない」(37・8%)で、「責任が重くなる」(32・2%)が続いた。
(日本経済新聞 7月25日)

女性総合職制度が導入されてからしばらくの間、総合職は大変だからという理由で一般職を選ぶ女性が少なくなかった。社員の立場から見て、コストパフォーマンスに合わないと考えられたのだ。今度は管理職への昇格がコストパフォーマンスから懐疑的に受け止められている。割に合わないのだ。

これでは女性活躍社会に至らない。男女の序列を逆転させるぐらいの仕掛けが必須だろう。男尊女卑の歴史のなかで築かれた人事制度にメスを入れるには、一時的に“女尊男卑”へ切り替えることだ。男性にとっては不服でも、人事評価に長年ゲタをはかせてもらって優遇されてきたのだから、ここは容認すべきだろう。

ロールモデルとなる女性管理職が各社で続々と誕生すれば、管理職志向の忌避など杞憂に終わるはずである。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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