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保育大手の賃上げ厚く 平均15%の引き上げも

保育大手が保育士の賃金を大幅に引き上げる。ポピンズ(東京・渋谷)は関東の正社員の給与を平均15%引き上げた。最大手のJPホールディングス(HD)は全体で平均4%上げる。保育士不足が深刻ななか、人材確保につなげる。政府は待機児童の解消に向け保育士の給与を2%引き上げるよう促す方針だが、保育サービスの維持・拡大のため、これに先駆けて大幅な増額に踏み切る。

全国の待機児童数(2015年10月時点)は4万5315人と5年ぶりに増加。大都市を中心に解消の見通しがたっていない。高い地価や住民の反対などで保育所の開設が容易でないうえ、給与が低く保育士を確保しにくいためだ。
(6月5日 日本経済新聞)

保育士の給与は一億総活躍プランが実行されれば少しは改善されるだろうが、月1万円に満たない賃上げでは改善には至らない。介護施設と保育所を経営している社会福祉法人の理事に聞いたところ「うちの場合、介護士よりも保育士のほうが離職率は高いですね。いくらでも求人があるので、何かあるとすぐに辞めてしまうのです」という。

退職と新規採用が車輪のように回転している様子で、人事担当者は目が廻るのではないだろうか。

一方、保育所の開設では騒音問題が取り沙汰されているが、園児の声が騒音と受け取られるようになったのはいつ頃からか。元総務相の増田寛也氏は講演で「育児をしやすい社会にするために、園児の声を騒音と見なす風潮と改めてほしい」と語っていた。もっともは指摘だが、騒音かどうかは近隣住民でければ判断できず、これは解決に時間のかかる問題である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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