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就活塾でトラブル多発、留年や多額の利用料

就職活動の指導や社会人になるための能力アップ支援をうたう「就活塾」で、学生が活動に夢中になって留年したり、多額の利用料に悩まされたりするトラブルが起きている。大学が集まる東京都の消費生活総合センターは、契約前に家族や同センターなどに相談するよう呼びかけている。
「息子に被害意識は無いけれど、学費や交通費が相当かかり、親が被害者」。就活塾のため2度留年した長男について同センターに相談した母親はそう話し、ため息をついた。

長男から1度目の留年を相談され初めて、塾の面接練習や募金活動に夢中で、ほとんど大学に通わず就活もしていなかったと知った。翌春、再度の留年を聞き、塾に「一体何を教えているのか」と電話した。長男は成人で親は契約解除できないが、渋る塾側に迫って強制退会とさせた。
(毎日新聞 6月2日)

これだけ学卒の就職率が良好なのだから、就活塾に通わなくとも、どこかに就職はできるはずだが、学生にとっては内定をもらうまでは不安を拭いきれないものだ。不安にはつねに金脈が潜んでいる。
就活塾は不安解消ビジネスともいえるが、その存在が問題なのではない。消費生活総合センターに通告されないようなビジネスを展開すれば、問題視などされない。何がトラブルの原因になるのか、運営者にその判断がつかないのなら、契約書やサービス内容などの書類一式を持参して消費生活総合センターに相談すればよいのだ。

法的な問題だけでなく、社会的に容認されない行為は何かなどを指導してもらえばよい。
「就活塾=トラブルビジネス」という風評が広まると、消費生活総合センターは事業社名の公表に踏み切るだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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