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国内正社員1500人、副職OKに――ロート製薬

目薬大手のロート製薬は4月から、国内の正社員約1500人を対象に、ほかの会社やNPOなどで働く兼業(副職)を認める。会社の枠を超えて培った技能や人脈を持ち帰ってもらい、ロート自身のダイバーシティー(多様性)を深めるねらいがあるという。
24日発表した、「社外チャレンジワーク」と名付けた制度で、就業先を届け出れば、平日の終業後や土日祝日に他社で働き、収入を得ることを認める。
社員有志の発案で導入を決めた。東京都内の記者会見で山田邦雄会長兼最高経営責任者は「社内ではない刺激や気づきがあれば、座学より社会経験が積める」と話した。
(朝日新聞デジタル2月24日)

とうに終身雇用で家族ごと面倒を見る時代は終わったが、忠誠心の要求は変わっていない。おおかたの企業は、たとえ休日でも副業を認めようとしない。講演料や原稿料も会社に振り込ませ、本人には一部しか還元されない企業も珍しくない。

その点、公務員は講演料も原稿料も副収入にできるから、行政機関のほうが柔軟である。中央官庁が舞台となった論際事件の後、一時期、役人たちは「講演は公務の一環ですから」と言って講演料を受け取らなかったが、いまではそんなことはない。

そもそも勤務時間外であれば、同業他社の仕事でない限り、どこで何をやろうと自由であるはずだ。就業先の届出も不要だろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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