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2311事業場で違法残業 厚労省が是正勧告「指導徹底」

厚生労働省は23日、長時間労働が疑われる5031事業場のうち、半数近い45・9%の2311事業場で違法な時間外労働が確認され、是正勧告を行ったと発表した。このうち38事業場では月200時間を超える時間外労働が行われていた。厚労省は「いわゆる“ブラックバイト”や健康を損なう恐れのある長時間労働に対しては今後も監督、指導を徹底したい」と話している。

厚労省は昨年11月、過労死による労災請求があったり若者の使い捨てが疑われたりする5031カ所の事業場に集中取り締まりを実施。その結果、全体の7割以上の3718カ所で、労働関連法令への違反が確認された。
(産経新聞 2月24日)

いまもなおベンチャー企業の経営者には「ブラックでないと儲からない」と明言する人も少なくない。一面の真理だが、たぶん、それらの経営者は真っ当な就労環境で働いた経験ないのかしれない。
健康経営の推進など就労環境の健全化がどんどん進む時代に、いつまでも(ブラックやむなし)と居直っていたらどうなるか。ホワイト企業、ブラック企業という色分けが鮮明になるにつれて“就労環境格差”という現象が現われ、ブラック企業からは人材も取引先も離れてゆくだろう。

厚生労働省は実名の公表に積極的に臨むべきだ。なかには実名が公表されても「見解の相違」とか「改善に努める」などとコメントしてお茶を濁す企業もあるだろうが、やがて人材確保に行き詰まり、取引先も離れてゆく。改心するには、そこまで行き着く以外にない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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